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パナソニック・オートモーティブ社、​事業の成長を支えるデータ基盤を構築

Client:​ Panasonic Automotive Systems Company of America (PASA)​
Region: North America
Industry: Automotive

キャップジェミニは、パートナーとしてデータ駆動型ビジネスの成長を支援​

Business Need / Challenge:
データへのタイムリーなアクセスの妨げとなる手動プロセスから脱却するための、より優れたデータプラットフォームの実現​

Solution:
当社は、お客様と連携して、Microsoft Azure上にPower BIを備えた基盤データプラットフォームを6か月で構築するとともに、ビジネスに対するより優れたインサイトを提供しました。

Benefit (Results Count):

  • 手動プロセスの解消と標準文書の作成​
  • データへのアクセスを改善 ― 表作成や妥当性確認に要する時間を数週間から1日に短縮することで、ほぼリアルタイムの意思決定を実現​
  • 開発チームがサポートに費やす時間を削減 ― 旧システムでの50%から20%以下へ​

Panasonic Automotive Systems Company of America(PASA)は、自動車インフォテインメントならびにコネクティビティシステムにおける世界大手サプライヤーです。同社は、アメリカ・ジョージア州ピーチツリーシティに拠点を置き、その最大の資産である人材を活用してイノベーティブでセキュアな自動車関連製品を顧客に提供しています。​

Panasonic Corporation of North Americaの一部門であるPASAは、自動車コックピットにおけるコアテクノロジー製品の機能強化・改良に取り組んでいます。PASAのエンジニアは、さまざまなピースを組み合わせて、問題を解決しエンドユーザーに最適な価値を提供するための新しい方法を見出します。PASAは自社の企業文化に誇りを持ち、イノベーティブな決断を下す権限を従業員に与えています。​

データ問題への取り組み

PASAは、データへのタイムリーなアクセスを困難にしていた手作業によるプロセスから脱却するため、より優れたデータ・プラットフォームを必要としていました。

また、文書作成にも問題を抱えていました。データ分析ツールが限られていたため問題への対処に終始し、非効率である根本原因についてリアルタイムで分析できずにいました。​

PASAのプレジデント、Scott Kirchner氏は、「データとは、組織のさまざまな部分を織り交ぜて、多様な方法で価値提供を実現するための基板であり」、「データセントリシティとは、自社のビジネスの多様なピースがそれぞれどのように運営されているのか ― 『どこが収益を生み出しているのか』、『目標を達成できていないのはどこなのか』 ― 感覚に頼るのではなく、真に理解することです」と述べています。​

PASAは、自社のデータプロジェクトの第一段階でキャップジェミニとの協業を選択しました。両社は6カ月というアグレッシブなスケジュールを設定し、さまざまな選択肢を検討した結果、シングルインスタンスのSAPプラットフォーム上にデータ可視化のためのPower BIを備えた新しいMicrosoft Azureプラットフォームを構築することを決定しました。これは、PASAのビジネスユニット全体から得られる豊富なデータを利用して、より標準化を図るものです。これにより、従業員はSAPを使って効率化とプロセス改善を推進することが期待できます。

パワフルなデータレイクの構築​

PASAは、データレイクとデータウェアハウスを導入してすべての情報を一元化し、それを使ってデータの見え方を変えるところから始めました。これについてKirchner氏は、「社員はデータによって自分の能力を真に発揮できるようになります」、「人は、自分が担当する業務や自分が関係する別の分野がどのように機能しているかを理解することで、よりイノベーティブになれます。さらに、自分がビジネスに与える影響について説明責任を果たせるようになります。このやり方は人々に権限を与えます。私たちは、自社のビジネスや顧客に提供する価値に影響を与えるような意思決定を行うための情報を、従業員の手に委ねることができるようになるのです」と述べています。 ​

PASAの新しいデータレイクは、強固で安定した基盤をデータチームに提供します。毎日検証される信頼性の高いデータ抽出によってデータ品質が向上します。また、複数のソースから情報を引き出すことができるため、潜在的な問題や懸念事項を見出す新たな機会がもたらされます。旧システムでは、データ抽出に1週間を要することもあったでしょう。​

PASAのビジネス・インテリジェンス担当シニア・デベロッパーのJake Paris氏は、「当社のビジネスユーザーたちは、データレイクを利用して、より簡単かつ迅速にデータを入手できるようになりました。これにより、より情報に基づいた意思決定を行うことが可能になります」、「以前は、古いシステムから新しいデータテーブルを取り出すのに1~2週間かかっていました。今では、SAPに接続し、必要なテーブルを指定してエクスポートし、すぐにデータ品質のチェックを始めることができます」と述べています。​

「当社のデータレイクに関する重要なことのひとつは、『データ主導の意思決定をどのように行うべきか』ということでした。そう語るのは、PASA のデータおよび金融サービス担当ディレクター、Bill Daley氏です。「以前は、私たちは非常にリアクティブ ー 問題が生じてから対応する形を取らざるを得ませんでした。私たちは時間をかけてまとめられたレポートに基づいて意思決定を行っていました。しかし現在は、データをより迅速に彼らの手に渡すことができます。これこそが現実の鍵となるのです。私たちは、このデータレイクがもたらすものの片鱗に触れたばかりです」。​
「データレイクのおかげで、これまで検討したことも考えたこともなかった問題を認識できるようになりました。データが何を物語っているのかを理解することが私たちの大きな原動力となりました。それはプロセスの問題かもしれないし、もっと大きな問題かもしれません。しかし、私たちにはより多くの可能性が見え始めています。私たちはデータレイクを持つことで、新たな可能性を実現する力を得始めています」。​

たとえば、売上予測レポートは顧客データに基づいて作成されていました。ところがSAPは、「材料がセットアップされているか否か」、「どの属性を追加する必要があるか」などについての詳細を提供して、さらなるデータを予測に追加します。そのため、レポートには単なる販売数だけでなく、顧客や製品に関する情報もレポートに含まれるようになり、予測をより深く理解できるようになりました。Daley氏によれば、「以前はデータレイクからデータを取り出し、Microsoft Azureに投入するというような単純なものではなかった」とのこと。「私たちは今日と将来に備えるためにAzure を深く掘り下げました。これは単なるデータプラットフォームではないため、近視眼的になることは避けたいと考えていました」。​

「つまり、データをデータレイクに取り込んで視覚化し、近い将来に機械学習と人工知能を導入してデータを活用できるようにすることです」。

この種のプロジェクトでは、チームの人材について学びます。キャップジェミニは常にチームを再評価することに前向きで、専門知識を導入し、適切な人材がいることを確認し、必要に応じて変更を加えました。私たちはチームであり、勝利するためにここにいます。誰かひとりでもパフォーマンスを発揮しなければ、全員が負けてしまいます。とても単純なことです。

Bill Daley氏
PASA​, Director of Data and Financial Services​

データストーリーを作り上げる​

Daley氏は、「これは単なるデータではなく、ストーリーなのです」と述べ、「人々は単にデータを手に入れてそれを使いたいだけの場合もあります。それはすばらしいことです。私たちはセルフサービス機能を通じてそれを提供します。しかし、クロスファンクショナルに考える必要がある状況もあります。これらは複雑な問題や検討事項であり、私たちはこれらのグループを集めて議論・検討し、結果としてデータ ストーリーが構築されます。これは本当にエキサイティングなことです。私たちはPASAのストーリーを数章書き始めたばかりですが、かなりのボリュームになりそうです。とても楽しみです」と説明を加えました。​

以前のシステムでは、従業員の1グループがレポートを管理していました。その中にはデータを用いて毎日5、6本のレポートを作成し、それをマイクロソフト・エクセルに取り込むなど、広範な作業を行う者もいました。その結果、何百万行ものデータを含む巨大なスプレッドシートが作成され、従業員は毎日3~4時間かけて表を組み立て、ピボット分析をアップデートしていました。​

効率性は大幅に向上しました。以前の環境ではデータ抽出に7~8時間も費やしていましたが、今ではその半分ほどで済むようになり、レポートのアップデートも2時間から30分程度に短縮されました。また、Microsoft Azure は、透明性の高いユニットごとの月次価格設定を使用したスケールアップとスケールダウンに対応することで、コスト管理を改善します。PASAはプランのアップグレードではなく、リアルタイムでのスピンアップができるようになりました。​

「私は財務のバックグラウンドがあるので、マイクロソフト・エクセルが大好きなのです」。と語ったうえで、こう強調しました。「しかし要するに、何百万行ものデータを処理するPower BIの能力は、ピボットテーブルで作業するよりもはるかにパワフルだということです。データドリブンを目指すなら、パフォーマンスが必要です。数分ごとにシャットダウンする車に誰が乗りたいと思うでしょうか。信頼性が常に必要であり、Microsoft Azureはそれをもたらします」(Daley氏)。

キャップジェミニとのコラボレーションは実に素晴らしかった。おそらく私がこれまで一緒に仕事をしてきた中で最高のチームのひとつであり、このチームに参加できるのはとてもエキサイティングだと感じています。彼らとの協働は本当に素晴らしい道のりでした。キャップジェミニのチームについては良い言葉しか出てきません。

Jake Paris氏
PASA​, Senior Developer, Business Intelligence 

AIならびにMLのプランニング​

また、PASAにとっては、Microsoft Azureが将来のAIやML計画に役立つ他のMicrosoftツールと連携することも魅力的でした。同社は、外部の力がデータにどのような影響を与えるかを調査する予定です。変数を導入することで、同社は分析用AIとMLを使用してビジネスインサイトを活用することができます。​

「私たちには大量のデータがあるので、AIとMLは大いに役立ってくれるでしょう」、「データプラットフォームを安定化させ成熟させて、より多くの外部データ ソースを取得し、SAP以外のシステムから活用することで、私たちは障害を予測できるアルゴリズムの構築を開始できるようになります。 工場の機械のメンテナンスサイクルを予測することも可能になります。​

また、お客様から寄せられた欠陥をトリアージして、それらのバグをより迅速に修正するための時間を短縮することもできます」と述べています(Paris氏)。​

データセントリックな未来をイノベートする ​

「私たちのミッションは、イノベーションであり、開発であり、そしてさらに重要なことは、データをユーザーの手に届けることです」、「旧システムでは、サポートに費やす時間は全体の約50%程度でしたが、今では20%以下に減っています。プラットフォームが稼働せずその対処に時間を費やしているようでは、データを必要としている人々にデータを届けることはできません」(Daley氏)。 ​

システムがはるかに安定しているため、PASAのデータチームは常にIT緊急対応に追われることなく、サポートに費やす時間もほとんどなくなりました。そして今、彼らは開発と新製品の発売に時間と能力を集中させています。​

Daley氏は、「このプロジェクトが大成功だったことを誇りに思います」、 「時間どおり、予算どおりに終わりました。これ以上に良いことはありません。私たちは早い段階で『自分たちにできないことに集中することはできない』と訴えました。私たちは自分たちにできることに集中しなければなりません。その結果、プロジェクトに対する私たちの見方が変わり、正しいことに集中し続けることができました」と語っています。​

また、Paris氏は、「当社のビジネスリーダーにとって有益なことは、データをより迅速に彼らの手に届けることです」と述べています。「Power BIを使えば、私たちはストーリーを実際にまとめてエグゼクティブにレポートを提供することができ、エグゼクティブたちは十分な情報に基づいたデータドリブンな意思決定を行うことができます」と述べています。​

プロジェクトの第1段階が無事完了し、PASA とキャップジェミニは今、さらなる改良と新しいイノベーションに取り組んでいます。

私がキャップジェミニで最も気に入っている点、それは、彼らが提供する能力がひとつではないということです。これは、製品エンジニアリングサービスからビジネスプロセス イノベーション、破壊的イノベーション、ゲームボーディングから次のフロンティアの決定に至るまでを網羅したエンドツーエンドの一連の包括的なサービスです。私たちのことをよく知ることができる会社、彼らのビジネスのあらゆる側面を私たちの利益につなげることができる会社と仕事ができることは本当にすばらしいことです。彼らは、結果を出すために、組み合わせて適用できる素晴らしいポートフォリオ能力を構築してきたと思っています。

Scott Kirchner氏
PASA​ President​