ソフトウェアがけん引するモビリティの未来
モビリティは、世界中の何百万という人々の日々の生活において、中心的な役割を果たしています。そのため、車両や自動車部品を製造する企業は、新製品を発売したり、ビジネス上の意思決定を行ったりするたびに、世界に大きな影響を与えることになります。また、サステナビリティが地球にとってかつてなく重要になる中で、自動車・大型輸送産業は、未来を形づくる上で必ず果たさなければならない役割を担っています。
OPmobilityは、ずっと以前から、こうした現実を認識してきました。フランスのこの自動車関連メーカーは、軽量プラスチックを中心とする車両部品を75年にわたって供給し、業界のさまざまな変化を支えてきたのです。
現在、同社は、モビリティにおける相互接続性とサステナビリティという現代の課題に注目しています。デジタル技術の存在が、イノベーションの可能性を伸展させ続けている中、OPmobilityは、車両が周囲の世界とコミュニケーションをとりながら、より安全で環境に優しく、いっそう魅力的な乗り物になる未来を見つめています。
「モビリティは変化し続けています。お客様はイノベーションや新しい機能を求めており、先頭を走り続けるためには、当社も常に変化し続ける必要があります」と、イノベーションソフトウェア担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼取締役のAlexandre Corjon氏は言います。 「現在、相互接続性とグリーンモビリティは、当社が、そして業界全体が成功するために取り組まなければならない新たなフロンティアです。当社にとっては、部品からソフトウェアへの重点分野の拡大を意味すると考えています」
こうした新たな課題やニーズに効果的に対応するため、OPmobilityは、車両向けの組み込みソフトウェアやコネクテッドサービスの開発加速を目的とした新機軸のユニット、Op’n Softを設立しました。当初30人でスタートしたこのチームは、照明・投射システム、電気推進、インテリジェントバンパー、温度管理、水素技術への取り組みを促進する上で役立っています。
「Op’n Softの誕生により、OPmobilityは、レーダーデータ処理ソフトウェアと照明技術の統合など、さまざまな独自の統合型ソリューションサービスを提供できるようになるでしょう」と、Alexandre Corjon氏は説明しています。「OPmobilityにとってそれは、心躍る新たな冒険であり、当社の各チームがその技術力を駆使して創造性を発揮できる素晴らしい機会でもあります」
Op’n Softの規模を拡大
OPmobilityはさらに、Op’n Softをより多くの地域に拡大するとともに、より多くのコンテンツを取り込むことに挑みました。チームを成長させつつ、同時にそのケイパビリティを強化する取り組みに着手したのです。そして、この拡張を実行しOp’n Softを構築するために、キャップジェミニ・エンジニアリングをパートナーに選びました。
「今やどんな企業もソフトウェア企業だと言われています」と、キャップジェミニ、エクゼクティブ・バイス・プレジデント兼オートモーティブ部門ヘッドのAlexandre Audoinは言います。「そこで重要なのは、今日、自動車におけるイノベーションと言えば、ソフトウェアのイノベーションだということです。ソフトウェアと言えば、人材が重要です。そして、ソフトウェア人材の確保においては他の業界との競争があります。通信やメディア、世界中のあらゆる業界のステークホルダーとの競争に勝ち抜かなければならないのです」
新世代のコネクテッドカー、自律走行車、電気自動車や関連サービスの開発力によってOp’n Softを強化するこの取り組みに、Opmobilityとキャップジェミニは、ともに乗り出しました。当初、両社のパートナーシップでは、レーダー、水素燃料電池、バッテリー管理システム、電力の変換・伝達に関するイノベーションに重点が置かれていましたが、OPmobilityは、Op’n Softのサイバーセキュリティや機能的安全性に関するコンセプトの強化にも大きな比重を置いていました。
チームが提供するソフトウェアを産業化・専門職化する取り組みを通して、OPmobilityとキャップジェミニ・エンジニアリングは、ソフトウェア定義型自動車（SDV）向けの新たなソリューションをより迅速に開発できる能力を高めていきました。加えて、キャップジェミニ・インベントのチームは、アジャイル手法の一環として一連の新たなプロセスを導入して、ソフトウェアチームの能力を強化し、自動車メーカーが求める基準を達成できるようにしました。
「適切に規模を拡大していくため、まずは、私たちが思い描くOp’n Softチームを実現する土台作りから始める必要がありました」と、Op’n SoftバイスプレジデントのGuillaume De Lattre氏は説明しています。「つまり、認証を取得し、セキュリティを確保し、人材を集める、と言っても、ただ人を増やすのではなく、思い描いた未来の実現にぴったりの完璧な人材を集める必要があったのです。さらに、ソフトウェアイノベーションを真に推進できるよう、十分な機敏性を備えたチームにする必要もありました」
現在、OPmobilityは、サイバーセキュリティに関してはA-SPICEレベル2およびISO 21434規格、また、自動車の機能安全面ではISO 26262と21448の両規格の認証を取得しています。これにより、同グループは、顧客の期待に応えながら、モビリティの進化に伴う新たな要件に対応することもできます。
継続的なイノベーションと安全の確保
ソフトウェアプログラムは既に大幅に拡張され、メキシコから中国までの7か国で150名の開発者が携わって開発を加速させており、プログラムの未来は、素晴らしい可能性に満ちています。OPmobilityとキャップジェミニはパートナーシップを継続し、Op’n Softチームを進化させ、自動車産業を塗り替えるイノベーションを探求していきます。
「当社はEVモビリティの水素への移行にしっかり取り組んでいます。そのために本当に必要なのは、全体像、エコシステム全体に目を向けることです」と、OPmobilityグループの科学ディレクター、Yannick Raynaud氏は説明しています。「インフラを考慮せずに、自動車向けソリューションを開発することはできません」
OPmobilityは、水素など再生可能エネルギーを選択することが、サステナビリティのカギ、ひいては業界全体にとってのカギになると考えています。そして、ソフトウェアは、そうしたイノベーションを推進するためのツールであり、道筋でもあるのです。
「ソフトウェアとデータは、サステナビリティに向けた進展を加速する上で、大きな役割を果たします」と、Alexandre Audoinは言います。「AIやデータを活用することで、サプライチェーンのオペレーション・物流・製造による環境への影響を軽減することができます。データへのアクセスやデータ解析能力の向上は、環境影響の報告管理や改善に重要な役割を果たすでしょう。また、車載ソフトウェアやセンサー、データ解析は、ドライバーを支援するだけでなく、環境影響を最小化するでしょう」
しかし、イノベーションが最優先事項であることに変りはありませんが、モビリティの新技術は安全やセキュリティを確保するものでなければならないことも、OPmobilityは理解しています。Op’n Softの現行の構造には高品質のサイバーセキュリティが既に組み込まれていますが、OPmobilityはこの先、 新ソフトウェア開発によってインフォテインメントの選択肢を広げ、より環境に優しい車両を提供していく中でも、引き続きドライバーの安心と安全を最優先として確保していきます。
「当社にとって、新技術や新たなイノベーションは安全なものでなければなりません」と、Yannick Raynaud氏は説明しています。「ですから、安全第一と申し上げたいと思います。水素を提供する場合でも、新たな化学的性質のバッテリーを市場に投入する場合でも、当社がそこに踏み切るということは、品質および安全性の面で一切揺らぐことなく、それらを利用する準備が整ったということです」
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