Eneco eMobilityは、オランダとベルギーの「スマートEV充電サービス事業者」上位3社の1社で、顧客の電気自動車(以下、EV)への移行を10年以上にわたり支援してきました。しかし、急成長に伴い、サポートするEV顧客数も増大。業務量や期間への高まる需要に対応しつつ、顧客と従業員の双方に心地よい体験を一貫して提供できるカスタマーケア業務の構築が、喫緊の課題となっていました。
「多くの人たちがEVに移行しており、市場は急速に成長しています。これに応えて当社は、充電スポット利用者の増加に対応できるように、サービスを拡充していく必要があります」と、Eneco eMobilityのCTO、Maarten van der Beek氏は説明しています。「こうした規模拡大の課題に対処するためには、当社のカスタマーケアエージェントに、ケース処理を支援・自動化・簡素化するツールを提供して効率を高め、コスト削減を図りながら、より多くの価値を提供し、より多くの処理件数に対応できるようにする必要がありました」
生成AIで生産性と体験を向上
成長と改善の機会を見出したEneco eMobilityは、かねてより協業関係にあったキャップジェミニに助言を求めました。キャップジェミニのチームは、既存システム、プロセス、目標を精査した後、Eneco eMobilityが営業とマーケティングを合理化するために既に導入していたMicrosoft Dynamics 365プラットフォームの拡張を提案しました。具体的には、Eneco eMobilityとキャップジェミニは、Copilotの生成AIソリューションの価値を活かすことにしたのです。
「当社には、Eneco eMobilityへのMicrosoft Dynamics導入を成功させた実績がありました」と、キャップジェミニのマネージング・ソリューション・アーキテクト、Peter Ruiterは言います。「ですから、Eneco eMobilityが何を達成したいのかを聞いたとき、Microsoft Copilotこそ最適なソリューションだと感じました。前回の成功を活かすのは自然な流れですし、エージェントを強化し業務のやり方を変革することで、効率と品質を高めることができます。エージェントと顧客の両者がそのメリットを享受できる、最善の方法だと思いました」
Maarten van der Beek氏(前出)は「キャップジェミニは、Copilotプロジェクトの設計・実装・移行の各段階で、核となる技術的能力を提供してくれました。彼らの専門知識と技術力のおかげで、プロセスを円滑かつ迅速に進めることができました」と言い、「今回のプロジェクトに限らずキャップジェミニは、将来を見据えたビジネスアーキテクチャを形成する上で、これまでもそしてこれからも、信頼できる当社のパートナーです」と述べています。
Peter Ruiter(前出)は「今回のプロジェクトでは、エージェントにとっての受け入れ易さを優先しました。そのため、Eneco eMobilityのチームに伴走し、ひとつのチームとして反復型プロセスに取り組みました。開発・試験・調整を繰り返すことで、Eneco eMobilityのニーズに合致したソリューションを作り上げたのです。こうしたオープンなコミュニケーションと、試し・批評し・調整していこうという姿勢が、Eneco eMobilityのチームと両社のパートナーシップならではの、この取り組みと成果に大きな役割を果たしました」と言います。
小さく始めて、素早く拡大
プロジェクトは、最も精通した少人数のエージェントがグループを組み、Copilotのさまざまな要素をひとつずつテスト・検証することからスタートしました。着想からちょうど5週間後、Eneco eMobilityとキャップジェミニは、いくつかのパイロットグループにMicrosoft Dynamics 365 Contact Centerを初めて導入しました。それ以降、カスタマーケア部門では、新規チームメンバーのトレーニングに必要な時間がわずか1時間に短縮され、コストも削減されました。
さらに重要なのは、このソリューションが従業員体験を一変させ、非常に短期間のうちにエージェントに受け入れられたことです。エージェントは満足度が高まったと報告しています。Copilotが提供する該当する顧客関係管理(CRM)情報は、通話中の指針として役立ちます。またライブの会話要約を使えば、より迅速かつ容易に対応を完了できます。あるいはケースが該当するチームに引き継がれる場合にも、引き継いだチームは、進行中のケースの会話要約を参照して素早く背景を理解し、効果的なサービスを提供できます。Copilotはチャットサービスも備えており、特に難しい問い合わせに対しては、チャット機能を使って過去の解決例を参考にして回答することも可能です。
「Copilotを利用すれば、ナレッジベースの関連記事に自動的にリンクされるので、より迅速かつ的確に顧客の要望に対応できます」と、Maarten van der Beek氏は説明します。「さらにケースの要約機能により、顧客満足度を高めつつ、平均ラップアップ時間が50%近く短縮され、カスタマーケアチーム内の効率が向上しました。これまでエージェントは、顧客の話を聞いたり答えたりしながら、さまざまな作業を行っていたのですが、いまは、お客様にもっと集中できるようになりました」
ベルギーでMicrosoft Dynamics 365 Contact Centerの導入を成功させ、その効果を確認した両社は、現在、オランダにプロジェクトを展開しています。
「Copilotと生成AIは、単なる技術的実装に留まるものではありません。Copilotと生成AIは、単なる技術的実装に留まるものではありません。それは、当社の顧客が新製品・新サービス・新たな収益と利益を創出にするために必要な、非常に幅広いビジネストランスフォーメーションとテクノロジートランスフォーメーションに、ひとつの手段を提供してくれます」と、キャップジェミニ・欧州のマイクロソフト・デジタル・カスタマーエクスペリエンス部門リーダーPaul Harrisonは締めくくりました。
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