スマートファクトリーのポテンシャルのピークを目指してイニシアチブの規模を調整
キャップジェミニは、インテリジェントインダストリーのビジョンに、IT(情報技術)とOT(運用技術)の融合のみならず、物理世界とデジタル世界の融合も取り入れています。そして、このインテリジェントインダストリーに不可欠なのが「スマートファクトリー」です。スマートファクトリーは計り知れないポテンシャルを秘めており、それがもたらす価値の規模はこれまでになく大きくなります。 スマートマニュファクチャリングプラットフォームの市場だけでも2019年には44億ドルに達し、今後5年間着実に成長すると予想されています。また、大多数の企業が課題を理解しています。2017年の調査で、すでにスマートファクトリーのイニシアチブを進行中と答えた製造企業は43%でしたが、2019年には68%に増えました。ただし、それらのイニシアチブが成功するのは、規模が適切な場合に限ります。
スマートファクトリーのイニシアチブは規模が適切な場合に限り、成功する
キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、イニシアチブの進捗、デジタル技術の採用、そして製造企業が規模の達成において直面する課題を理解するために、製造企業1,000社、主にスマートファクトリーのイニシアチブが進行中の企業をターゲットに調査を実施しました。また、スマートファクトリーイニシアチブまたはスマートファクトリーそのものを監督するエグゼクティブの方々と掘り下げたディスカッションを20回近く行いました。そして、かかる調査の結果を新しいレポート、『Smart Factories @ Scale ― 大規模スマートファクトリー 設計による効率化&閉ループオペレーションを通じて、1兆ドルの価値を獲得』にまとめました。
調査所見は以下の通りです。
- 企業は、スマートファクトリーがこれからの考え方/やり方であることを理解しています。イニシアチブの数は増えており、「設計による効率化」と「閉ループオペレーション」が共に利益をもたらしています。
- スマートファクトリーがもたらす価値の規模はこれまで以上に大きくなり、平均2兆ドルに達しています。しかし、その3分の2はいまだ実現されていません。
- 秘訣は規模を拡大したイニシアチブにありますが、「うまくいっている」と考える企業はわずか14%です。
- リードするハイパフォーマンス企業に学ぶ - 彼らのベストプラクティスは、設計の効率化と有効なオペレーションのバランスを取ります。
IT-OTの融合、バーチャル&ループバックオペレーション、そしてトランスフォーメーションマスタリーが成功のカギです
企業が規模の拡大を成功へと導くためには、強力なガバナンスとともに、進捗を評価するための指標と方法論を導入する必要があります。また、データ駆動型オペレーションの文化を育成するとともに、さまざまなデジタルプラットフォームを製造オペレーション全体で展開・統合するための統一プログラムを開発する必要もあります。そして最後に、クロスファンクショナルなキャリアパス、スキルアップ、採用を通じて、ハイブリッドなスキル、ソフトスキルを育成する必要があります。これこそが、スマートファクトリーというレースで先頭を維持するフロントランナー企業を支えるベストプラクティスです。ペースを維持するためには、スマートファクトリー「初心者」企業は、「大きく構想し、小さく始める」、試行錯誤を続ける「実験者」企業は、スケールアップする前に基礎に投資するべきです。