コネクテッドヘルスは患者のジャーニーのそれぞれのステップに恩恵をもたらすが、概念実証より先に進んだユースケースは20%に
届かず

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コネクテッドヘルスへのビジネスの期待は高いものの、
それを実現するために必要なデジタル、テクノロジー、コラボレーション能力を
備えた
ライフサイエンス企業はごくわずか
― 世界的大手IT企業参入の扉が開かれつつあります

 

【2022年3月3日、パリ発】 コネクテッドヘルス[1]製品は、患者エンゲージメントの向上、新しい治療法の可能性、病気の早期診断や発見に高いポテンシャルを示しており、その承認数は今後5年間で40%増加すると予想されます。しかし、ライフサイエンス企業のうち現在コネクテッドヘルス製品をテスト中または承認を得て製品を市場に投入している企業は、わずか16%に留まっています[2]。全体としていえば、ほとんどの企業において、コネクテッドヘルスの成熟度は、いまだ「新興」でしかありません。キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートの最新レポート、『Unlocking the Value in Connected Health(コネクテッドヘルスの価値を解き放つために)』では、コネクテッドヘルスが患者に大きな利益をもたらす可能性のある主な治療分野と、ライフサイエンス企業がその実現に向けて克服しなければならない障害について詳しく取り上げています。

このレポートによれば、今後5年間で次世代のコネクテッドヘルス製品が登場するであろう治療分野には、まず多発性硬化症やアルツハイマー病、てんかんなどの神経科学関連の疾患、それに続いて希少疾患、免疫学が挙げられています。また、これを実現するために、ライフサイエンス企業の50%以上が今後5年間にリモート患者モニタリング、デジタルバイオマーカーアプリケーション(ウェアラブルバイオセンサーなど)、AIによる予測診断ならびに予防医学のためのユースケースの開発を計画していることが調査結果で明らかになっています。

しかし、業界がこれらのユースケースを実現するのはまだ遠い先のことであり、調査対象のライフサイエンス企業のうち、ポートフォリオ戦略、製品設計、製品開発など、コネクテッドヘルスの主要分野で十分に成長を遂げているのはわずか4分の1に過ぎません。また、コネクテッドヘルスのイニシアチブを成功させるために必要なデジタル、テクノロジーならびにコラボレーションの各能力を備えている企業は3分の1に満たないことも今回の調査で明らかになりました。たとえば、コネクテッドヘルス製品から送信されるリアルタイムデータの予測分析に人工知能を利用している企業はわずか4分の1、コネクテッドヘルス製品のイノベーション、相乗効果、ベストプラクティスを推進するためのセンター・オブ・エクセレンスを有する企業はさらに少ない21%にとどまっています。

キャップジェミニのグローバル・ライフサイエンス・インダストリーのリーダー、Olivier Zitounのコメント:現在、患者の転帰の改善に対する需要と機会があり、治療のためのアプローチや患者と医療提供者の対話に間違いなく大きな変革をもたらすテクノロジーが多数存在しています。企業がデジタルヘルステクノロジーの恩恵を享受するためには、スケーラブルでパーソナライズされた統合的なコネクテッドヘルスのポートフォリオを構築するためのスキル、テクノロジー、そして構造的ギャップに取り組む必要があります。大規模なライフサイエンス企業は、その成熟度においてより明るい兆しを見せていますが、大手ハイテク企業もまたコネクテッドヘルスのポテンシャルに注目しているので、市場全体を同じペースで推し進めていく必要があります。

コネクテッドヘルスが十分成熟して戦略段階を超えた状態にある企業のほとんどは大企業です。売上高が200億ドル以上のライフサイエンス企業は半数近くが、自社のポートフォリオの戦略と計画の成熟度について「高い」と回答しましたが、10億ドル未満の企業で「高い」と回答したのはわずか17%でした。

この相違にはさまざまな理由がありますが、大企業はコネクテッドヘルスの開発と規模拡大における2つの大きな課題、すなわち、セキュリティの脆弱性と規制当局からの承認について、解決する能力を持っていることが大きな要因です。

レポートによれば、小規模なライフサイエンス企業は遅れを取り戻そうとしていますが、社内で活用できるスキルに関して技術系と経営系のエグゼクティブの間で認識に相違があり、それが成熟度の低さの原因となっている可能性があります。たとえば、コネクテッドヘルス企業の拡張現実と仮想現実に関するスキルについて、経営系エグゼクティブの半数近くは「十分である」と信じていますが、同じ意見をもつ技術系エグゼクティブはわずか20%です。最も不足している技術スキルの上位には、拡張現実や仮想現実、システム思考ならびに相互運用性、エンジニアリング、人間中心設計が挙げられています。

では、コネクテッドヘルスの成熟度を高め、ユースケースの開発を促進するには何が必要なのでしょうか ― キャップジェミニは、本レポートにおいて、次の6つのフォーカスエリアが重要であると指摘しています。

  • 確立したポートフォリオ計画に沿った商業的コネクテッドヘルス戦略を定義すること
  • 測定可能な価値と成果をもたらすコネクテッドヘルス製品を設計すること
  • 企業の内部と外部のデータを共有し相互運用性を促進するデータエコシステムを構築すること
  • データ、行動科学、アジャイル開発における人材のスキルアップを実現すること
  • コネクテッドヘルスのガバナンス、運用モデル、財務構造を一元化して、成長ならびに規制調整を推進すること
  • 構造とガードレールを提供すると同時にオープンイノベーションを受け入れる、コネクテッドヘルスエコシステムを構築すること

 

レポート完全版(英語版)はこちらからダウンロードできます。ぜひお読みください。

 

調査方法

キャップジェミニは今回、北米、ヨーロッパならびにアジアの7か国の医薬品およびバイオテクノロジー業界のライフサイエンス企業166社のマネージャークラス以上のエグゼクティブ523人を対象に調査を実施しました。回答者については、① 在籍する企業が現在コネクテッドヘルスへのアプローチを戦略化している、② 現在コネクテッドヘルス製品をテスト/開発している、または③ コネクテッドヘルス製品がすでに承認されて現在市場に出ている、のうち少なくとも1つを表明していることを条件としています。今回のグローバル調査は2021年の10月から11月にかけて実施しました。これに加えて、世界的大手バイオ医薬品企業のシニアエグゼクティブ10人に詳細なインタビューも実施しました。

 

キャップジェミニについて

キャップジェミニは、テクノロジーの力を活用して企業ビジネスの変革・管理を支援するパートナーシップにおけるグローバルリーダーです。キャップジェミニ・グループは、テクノロジーを通して人々が持つエネルギーを解き放つことで、包摂的で持続可能な未来を目指し、日々まい進しています。私たちは、世界約50ケ国の32.5万人に及ぶチームメンバーから成る、極めて多様的で責任感の強い組織です。キャップジェミニは、55年にわたって積み上げてきた経験と実績そして豊かな専門知識を活かし、クラウド、データ、AI、コネクティビティ、ソフトウェア、デジタルエンジニアリング、プラットフォームなど、急速に進化するイノベーティブなテクノロジーを原動力として、戦略から設計、オペレーションに至るまで、お客様の幅広いビジネスニーズすべてに対応して、お客様から厚い信頼をいただいています。グループ全体の2021年度の売上は、180億ユーロです。

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キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートについて

キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、デジタル全般に関するキャップジェミニの社内シンクタンクです。この組織は、大規模な従来型/既存のビジネスに対するデジタル技術の影響について調査し、その結果を公開しています。ここでは、チームがキャップジェミニのエキスパートたちによる世界規模でのネットワークを活用し、教育機関や技術パートナーたちと緊密に連携しています。キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、インド、イギリス、シンガポールおよびアメリカに専用のリサーチセンターを開設しています。独立系アナリスト企業からリサーチの品質を認められ、世界ナンバーワンの格付けを得ています。詳細は、以下をご覧ください。
https://www.capgemini.com/jp-jp/capgemini-research-institute/

[1] 今回の調査では、その目的に合わせて、コネクテッドヘルスの定義を「消費者向けウェアラブルなどのデジタルウェルネス製品から、デジタルコンパニオン、デジタルセラピー (DTx)、DTxを用いた併用療法などの臨床的に確認されたソリューションを網羅する、幅広いデジタルヘルス製品およびサービスであり、Software-as-a-Medical Device (SaMD) を含む」としています。

[2] この調査の対象は、バイオテクノロジー・医薬品(バイオファーマ)企業です。

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