生成AIが形作るソフトウェアエンジニアリングの未来
キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュート（CRI）の調査レポート「Turbocharging software with Gen AI（邦題：生成AIの力でソフトウェアエンジニアリングを加速する）」では、生成AIがソフトウェアエンジニアリングにもたらす価値と機会を考察します。
本レポートでは、年間収益 10 億ドル超の組織の1,000 人の上級管理職と 1,000 人のソフトウェア専門家を対象とした調査から得たインサイトに基づいて、生成 AI が現在および将来にもたらす影響を明らかにしています。
一部の組織では既に成果が上がっています。調査対象企業の61%が「生成AIはイノベーティブなソフトウェア機能やサービスの開発を可能にする」と回答しています。また49%が「ソフトウェア全般の品質を向上する」、40%が「生産性の向上にも寄与する」と回答しており、その成果を実感しています。
生産性が向上することで、組織はイノベーティブな業務に集中できるようになります。生成AIが人間のクリエイティビティに置き換わるのではなく、クリエイティビティを強化する可能性が認識されており、人員削減を予定している組織は僅か4%でした。
ソフトウェアエンジニアリングにおける生成AIの導入はまだ初期段階にあります。現時点で27%の組織がパイロットプロジェクトを通じて生成AIの可能性を積極的に模索しており、11%が既にソフトウェア機能への生成AIの統合を開始しています。パイロットプロジェクトを含む導入率は、今後2年間で3倍超へと大幅に増大することが予想されています。
生成AIは急速に日常生活に取り入れられています。一方で、生成AIの能力を活用する上で必要なプラットフォームやツールの準備が整備されている組織はわずか27%に過ぎません。この準備不足は、従業員が先行して未承認の生成AIツールやソリューションを使用する可能性をもたらし、大なリスクとなります。実際、当社の調査では、生成AIを使用するソフトウェア専門家の63%が未承認のツールを使用していることが明らかになっています。生成AIを制限なく使用すると、機能エラー・セキュリティ侵害・また幻覚コード・コード漏洩や知的財産権問題といった法的問題など、組織は様々なリスクにさらされる可能性があります。レポートでは、適切なガバナンスと監督の必要性を強調しています。
「Turbocharging software with Gen AI（邦題：生成AIの力でソフトウェアエンジニアリングを加速する）」（発行：キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュート）では、セキュリティリスクを軽減し、有用性の高いユースケースを優先し、人を変革の中心に据え、組織がソフトウェア エンジニアリングにおいて生成 AI の可能性を最大限に活用する手法を示しています。
