【2022年12月19日、パリ発】 –キャップジェミニは本日、2023年版の「TechnoVisionレポート ― Right the Technology, Write the Future(邦題:最適なテクノロジーで、未来を描く)―」を発行しました。本レポートでは、最新のテクノロジートレンドに焦点を当て、組織のリーダーが、テクノロジードリブンなビジネス変革の意思決定を行う際に直面する重要な疑問への「解」を提示しています。また、リソースの希少性が高まる中で、「行動喚起」を促しています。さらに、AIで生成したビジュアルを初めて、随所に取り入れました。
あらゆるビジネスがテクノロジービジネスとなっている今、どのようなビジネスシナリオにもテクノロジーが関与しています。2023年には、クリエイティブAI、ジェネレーティブAI、クラウド、エッジコンピューティング、IoT、IPA、自律システム、メタバース、Web3さらにはバイオテクノロジーや量子コンピューティングなどのさまざまな選択領域から、選択肢の幅がかつてないほど圧倒的に広がっていくでしょう。「TechnoVision」は、ビジネスリーダー、CIO、技術実務者が、ビジネス価値の観点からだけでなく、持続可能性や倫理といったより広い観点から、重要なテクノロジートレンドを適用し、賢明な選択をするためのフレームワークです。
社会によい影響をもたらす適切なテクノロジーを選択する
本レポートでは、エネルギー、水、原材料、チップ、安定したサプライチェーン、低金利の資金、優秀な人材など、さまざまなリソースが逼迫する中で、組織の未来に最大の貢献を果たすばかりでなく、社会に対して明確なよい影響をもたらす適切なテクノロジーソリューションとイノベーション戦略を選択するよう提唱しています。
キャップジェミニCIO兼グループ執行委員会メンバーのPascal Brierは次のように述べています。「『TechnoVision 2023』は、ビジネスリーダー、CIO、技術実務者が、テクノロジードリブンなビジネス変革の意思決定を行う際に直面する重要な疑問への実践的な『解』を提示しています。私たちが、レジリエンスとアジリティ、新しい成長手段、持続可能性、倹約を目指すにしても、あるいはこれまでとは違うやり方で実践するにしても、テクノロジーがその方程式に欠かせない重要な要素であることは明白です」
「TechnoVisionレポート」は、キャップジェミニのTIV(Technology、Innovation、Ventures)協議会が作成しており、多岐な領域でテクノロジーの進化を監視・評価・統合・導入する専門家の国際的なネットワークが活かされています。2023年版は、そのビジョンに忠実に、信頼性の高い、使い勝手のよい、豊富な知見を提供する実践的な指南書として、適切な選択ならびにテクノロジーが実現する企業戦略と変革計画の立案にお役立ていただける内容となっています。
今年注目の7つのトレンド
- ツインネットワーク: 道路上を行き交う車のような異なるオブジェクトの、仮想空間上でのシミュレーションを実現するためには、適切なサポートプロトコルを用いて、仮想空間上のデジタルツインを相互接続する必要があります。これにより、モノのインターネット(IoT)は、デジタルツインに替わります。ツインネットワークは、代替手段での調査・テストを容易にし、仮想体験と現実世界の体験を融合させ、運用上の課題の複雑さを軽減する鍵となるでしょう。
- 管理者不在の組織:「分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization、以下DAO)」と呼ばれる、改ざんされにくいトークンが用いられるグローバルな組織体の世界では、権力は集団的に“ヘテラーキカル”に分配されます。メンバーは中央集権型のリーダーシップに従属することなく、協力して価値創造と共同目的の達成に専念します。DAOは共通の価値感に突き動かされているコントリビューターで構成されており、ユニークで軽やかな、しかも強固なガバナンスモデルに通じるものです。
- データのネットゼロ化:データはネットゼロ目標を実現するための鍵となりますが、データ自体も持続可能である必要があり、データの無駄遣いとの戦いが始まっています。データを持続可能にするためには、バリューチェーン全体で排出量を測定し、予測し、それに基づいて行動するための、スキル、ツール、カルチャーを構築する必要があります。信頼性の高いデータ、特にスコープ3の目標を達成するためには、サプライチェーンのエコシステムとの連携が重要になってきます。本当に必要なデータを見極め、データの無駄を調査し、「大きな」データが必ずしも「より良い」データであるとは限らないことを認識することが重要です。
- 小さなグリーンアプリケーション:エンジニアリングアプリケーションには、リソースやエネルギーへの負荷が小さいことに加えて、卓越した性能が求められます。ソフトウェアは、それ自体がエネルギーを消費したり、有害な排出物を放出することはありません。課題はソフトウェアが用途に対してどのように開発され、どのように利用されるかという点です。
- 業界特化型クラウド:特定の業界、領域、さらに地域に特化したクラウドは、各分野固有の業務における組織のあらゆるニーズを満たし、すぐに使用できる、アダプティブなデータ、ソリューション、インフラストラクチャサービスとして適切にパッケージ化されています。インダストリークラウドを段階的に活用することで、市場投入までのスピードアップ、コストとリソースの削減、成長加速、規制対応などのメリットが得られるほか、業界の成功事例を取り込み、業界パートナー間の連携を促進できます。
- クリエイティブなマシン:ジェネレーティブAIモデルの飛躍的な進歩は、知識集約型業務やクリエイティブな仕事においてさえも「従来の常識にとらわれない」方法で、人的リソース不足に対処する興味深い機会を提供します。しかし、この壮観なAI拡張を全面的に活用する上では、AI倫理に改めて注目することが不可欠になるでしょう。
- Do good, do less, do well: テクノロジーで実現できることのすべてが、社会的に望ましいとは限りません。テクノロジービジネスへの取り組みは魅力的に見えるかもしれませんが、その多くは多大なエネルギーと時間、希少な天然資源を必要とします。取り組みが社会、倫理、環境に与える影響を総合的に考慮し、社会的な目的に積極的に貢献するテクノロジーを探求しましょう。
レポート全文(英語版): https://www.capgemini.com/jp-jp/research-and-insight/technovision-2023/
TechnoVision特設サイト:https://technovision.capgemini.com/right-the-technology/