サイバーセキュリティにおけるAI活用

企業の69%が「AIなしではサイバーセキュリティの脅威に対処できない」と回答

公開日

著者 Florence Lievre

3社のうち2社が、2020年までに防御強化を目的とした人工知能の展開を計画

2019年7月11日:パリ発】

次世代のサイバー攻撃を防ぐため、企業がAIシステムへの投資のペースを速めていることが、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートの最新調査で判明しました。企業の2/3(69%)が、「AI無しではクリティカルな脅威に対処できないだろう」と認識しています。クラウドやIoT、5G、対話型インターフェースなどの技術の進歩の結果として、エンドユーザーデバイスやネットワーク、ユーザーインターフェースの数は増え続けており、企業はサイバーセキュリティの継続的増強という急務に直面しています。

今回の新しいレポート『Reinventing Cybersecurity with Artificial Intelligence: the new frontier in digital security(人工知能によるサイバーセキュリティの再構成:デジタルセキュリティの新たなフロンティア)』では、10カ国、7つのビジネスセクターのIT情報セキュリティ、サイバーセキュリティ、IT運用のシニアITエグゼクティブ850名を対象に調査を実施、また、業界エキスパートやサイバーセキュリティ関連のスタートアップ企業、学者の方々を対象に掘り下げたインタビューも実施しました。

主な調査結果は以下のとおりです。

AI対応のサイバーセキュリティが不可欠:調査対象のエグゼクティブの半数以上(56%)が、「侵入を検知・防止するために監視しなければならないデータポイントが膨大過ぎて、自社のサイバーセキュリティアナリストは途方に暮れている」と答えています。さらに、即時介入を必要とするサイバー攻撃や、サイバーアナリストでは迅速に修復できないタイプのサイバー攻撃が著しく増えています。たとえば、

  • 時間的制約のあるアプリケーションに影響を与えるサイバー攻撃(42%が「増加した」と回答。平均:16%)
  • 従来の対応システムでは制圧できないペースで変異する、自動化されたマシンスピードの攻撃(43%が「増加した」と回答。平均15%)

このような新たな脅威に直面して、大多数の企業(69%)が、「AIを使用しなければサイバー攻撃に対処することはできない」という確信に至っています。また、企業の61%が「クリティカルな脅威を特定するためにAIが必要」と答えています。また、2018年にはエグゼクティブ5人に1人がサイバーセキュリティ違反を経験しており、かかるサイバーセキュリティ違反の20%が企業に5千万ドル以上の損害を与えています。

エグゼクティブたちによる、サイバーセキュリティにおけるAI投資の加速化:過半数以上のエグゼクティブたちは、今後のサイバーセキュリティにとってAIが不可欠であると認識しています。

  • 64%が、「AIは違反を検知しそれに対処するためのコストを軽減する」と回答 - 軽減率は平均12%
  • 74%が、「レスポンスタイムのスピードアップが可能」と回答 - 脅威を検知し、違反を修正し、パッチを実行するのに必要な時間を12%短縮
  • さらに、69%が「違反検知の精度の向上」、60%が「サイバーセキュリティアナリストの効率アップ」、「誤検知・誤判定分析に費やす時間の短縮」、「生産性の向上」をあげています。

また、これに応じて、ほぼ半数(48%)のエグゼクティブが、「2020年度のサイバーセキュリティにおけるAI予算はほぼ3割増し(29%)となるだろう」と予測しています。展開に関しては、73%が「サイバーセキュリティにおけるAIのユースケースをテストしている」と回答しています。2019年以前にはAIを使用する企業は1/5に過ぎませんでしたが、いまや導入はどとまるところを知りません。企業のほぼ2/3(63%)が、防御体制を増強するために2020年までにAIを展開する計画を進めています。

欧州の大手家電小売業者MediaMarktSaturn Retail GroupのCISO、Oliver Scherer氏のコメント:AIは、サイバーセキュリティに関する大きな機会を与えてくれます。なぜなら、検知や手作業による対応や修正・修復作業から、自動修正へと移行するからです。企業は、このような移行をこの3年から5年の間に達成したいと考えています。

大規模なAI実装に立ちはだかる大きな障壁:サイバーセキュリティのためのAI実装における最大の課題は、概念実装からフルスケールの実装まで、ユースケースをスケールする方法に対する理解の欠如です。調査対象者の69%が、この分野で苦労したことを認めています。

キャップジェミニ・グループ、サイバービジネス部門のリーダー、Geert van der Lindenのコメント:企業は、いまだかつてないほど大量かつ複雑なサイバー脅威に直面し、防御の最前線としてのAIの重要性に目覚めました。サイバーセキュリティアナリストたちは途方に暮れ、そのほぼ1/4は「特定されたインシデントすべてをきちんと調査するのは不可能だ」と宣言しています。ゆえに、投資を増やし、サイバーセキュリティの強化の面でAIがもたらし得るビジネスメリットにフォーカスすることが企業にとって非常に重要です。

さらに、調査対象企業の半数が、現在のインフラストラクチャ、データシステム、アプリケーションランドスケープとの統合の課題をあげています。エグゼクティブの大多数は、サイバーセキュリティにおいてAIで何を達成したいのかわかっていると答えていますが、AIアルゴリズムのオペレーションを可能にするために必要なデータセットを特定できたのはほぼ半数(54%)に止まりました。

キャップジェミニ、AI and Analytics GroupのOffer Leader、Ange-Laure Thieullentのコメント:企業は、AIがサイバーセキュリティの可能性をフルに発揮することを妨げている根本的な実装上の課題にまず取り組むことが必要です。すなわち鍵となる障壁に取り組むためのロードマップを作成し、もっとも簡単にスケールでき、最高のリターンを届けてくれるユースケースにフォーカスすることです。企業は、このステップを取ることによってのみ、急速に進化するサイバー攻撃の脅威に備えることができるでしょう。企業はそうすることによって節約を可能にし、深刻なデータ侵害の可能性を軽減することができるでしょう。

レポートのダウンロードはこちらから。

調査方法

調査では、消費者向け製品、小売、銀行、保険、自動車、公益事業、および電気通信の7つのセクターのシニアエグゼクティブおよびディレクターレベル以上の850人の上級管理職を調査しました。幹部の5分の1がCIO、10人に1人がそれぞれの組織のCISOです。役員は、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリア、オランダ、インド、イタリア、スペイン、スウェーデンに本社を置く企業に属しています。また、業界のリーダーや学者とのインタビューも行い、サイバーセキュリティにおけるAIの現状と影響についても調査しました。

キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートについて

キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、デジタル全般に関するキャップジェミニの社内シンクタンクです。この組織は、大規模な従来型/既存のビジネスに対するデジタル技術の影響について調査し、その結果を公開しています。ここでは、チームがキャップジェミニのエキスパートたちによる世界規模でのネットワークを活用し、教育機関や技術パートナーたちと緊密に連携しています。キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、インド、イギリスおよびアメリカに専用のリサーチセンターを開設しています。最近、独立系アナリスト企業からリサーチの品質を認められ、世界ナンバーワンの格付けを得ています。

キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートについては、以下をご覧ください。

https://www.capgemini.com/researchinstitute/

 

キャップジェミニについて

キャップジェミニは、コンサルティング、テクノロジーサービス、デジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダーとして、イノベーションの最前線に立ち、進化を続けるクラウド、デジタル及び各種プラットフォーム分野で、顧客のあらゆるビジネス機会に対応致します。キャップジェミニは、50年にわたり蓄積してきた優れた実績と業界固有の専門知識を基に、戦略から運用まで、弊社の一連のサービスを通じて、顧客企業が目指すビジネスビジョンの実現をご支援致します。キャップジェミニの信念は、「テクノロジーに関わるビジネス価値は人を通じて具現化される」ことであり、この信念こそが弊社の原動力となっています。キャップジェミニは、世界40ケ国以上、20万人を超えるチームメンバーで構成される多文化企業です。キャップジェミニ・グループ全体の2018年度売上は、132億ユーロです。

キャップジェミニ株式会社については、以下をご覧ください。

www.capgemini.com/jp-jp

People matter, results count. (人にこだわり 成果にコミット)

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Infographic

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