製造業のお客様は3M(Man, Machine, Material)を駆使し、製造実行系のシステムとして日々生産活動に励んでいます。一方、材料、仕掛品、製品の計画、実行についてはERPを駆使し、企業経営活動の一環として記録しております。これらの作業のデジタル化をアジャイルに実現するのがFD4DIです。従来はERPと製造実行系のシステムは別系統であり、連携には人手による手入力が必要でした。また、一部の例ですが、機器の修理のタイミングは経験や勘に頼り非計画停止が発生したり、あるいは、官能検査は人間の視覚に頼った工数のかかる作業となっています。
FD4DIはSAP ERPの既存のデジタルコア(基幹となるシステム)を活かしつつ、SAPの先進的技術であるAI, IoT ,ML(機械学習)などを実現するSAP Leonardを含め、お客様のデジタルエクスペリエンスを向上させるプラットフォームです。
SAPはS/4 HANAを中心とした業界のリーダーであり、キャップジェミニはいろいろな産業で優れた事例の蓄積があります。両社のコ・イノベーション(価値共創)がFD4DIとしてお客様のデジタルトランスフォーメーションをSAP ERPを含め実現いたします。
FD4DIはFast Digital for Discrete Industriesの略で、ユースケースを主体としたデザイン思考を用いたアジャイルなソリューションのプラットフォームです。また、FD4DIは非常に短期(10-12週間)でソリューションを実現します(図1)。コ・イノベーションはベンダ側だけでなくお客様との積極的な価値の創出でもあります。お客様はFD4DIの7つの具体的なユースケースを選択し容易に導入することが可能です(図2)。
- Machine Health管理
生産現場からトップマネジメントまでの機械の状況を可視化し、総合設備効率の向上と管理コストの削減に寄与します。 - コネクテッド生産
各工程での部材の作業状態が常にERP,MES、マシン(IoT)の間で連動し、製造現場における個々のパーツのトレーサビリティを低コストに実現します。 - 作業者の安全
適切な防護服の着用や危険エリアへの進入禁止を検出してアラートを発信し、作業員の怪我や事故を防止します。 - 品質の目視検査
官能検査など人間の眼での検査を画像分析システムに置き換えます。不良品出荷を削減するとともに、手動検査のコストを低減します。 - 予兆保全
モニタリングデータを蓄積・分析し、機械の故障を予期して保全すべき時期を知らせます。従来の事後対応に比べて、計画外停止時間を低減し、修理担当者の稼働率を向上させます。 - インテリジェントサプライチェーン
貨物をコンテナに自動的に割り当てたり、貨物の状況をサプライチェーンの中で可視化します。コンテナのキャパシティ有効活用し、納期遵守率を向上させます。 - デジタルコントロールルーム分析
リアルタイムなIoTデータをグローバルレベルから製造現場までブレークダウンして捉えることが可能です。エンジニアリングから製造までのサイクルタイムを短縮します。
お客様はこれらのユースケースの中からご希望のものを選択し、デザイン思考で検討することにより短期間での導入が可能になります。
SAP Leonardを含めたデジタルコネクティビティーにご興味のある方はこちらにお問い合わせください。
- (図1)デザイン思考
- (図2)FD4DIのユースケース例