ワールド・リテール・バンキング・レポート2022:
既存の銀行は、パーソナライズされた顧客体験の提供を推進するために、データセントリックへの対応力を備えることが不可欠

ワールド・リテール・バンキング・レポート2022によると、経営幹部の95%が「現行の時代遅れなレガシーシステムや技術力では、カスタマーセントリックな成長戦略に向けて、自社データを最大限に最適化できない」と考えている

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【2022年04月21日、パリ発】キャップジェミニEfma本日発行したワールド・リテール・バンキング・レポート2022 (WRBR)によると、よりパーソナライズされた体験を提供する競合他社に顧客が移行し始めている中、リテールバンクは真のオムニチャネル体験を提供する能力に現状では後れを取っています。調査に協力いただいたお客様の75%はフィンテックが提供する費用対効果の高いシームレスなサービスに魅力を感じており、デジタルバンキングに対する期待は大幅に高まっています。しかし、伝統的な銀行はこうしたサービスの提供に苦慮しており、金融機関幹部の70%がデータ分析能力が十分でないとの懸念を示しています。いまや顧客は画面をタップするだけでサービスプロバイダーを容易に切り替えられるようになっており、銀行はデータや人工知能(AI)をこれまで以上に活用して顧客ニーズに合わせた体験を提供し、つながりを強化して最大限の顧客価値をもたらすことが不可欠です。

近年の金融業界でのフィンテックの急増により、顧客がバンキング体験に期待することにパラダイムシフトが生じ、多くの伝統的なサービスプロバイダーが収益とレリバンシーの課題に直面しています。本レポートのVoice of the Customer調査では、回答者の約75%が、コストを抑えながら迅速かつ使い勝手のよい、すぐに利用できる製品や体験を提供する新興の機動的な競合他社に魅力を感じていることが明らかになりました。一方、回答者の半数近くが、現在利用している金融機関との関係に満足していない(49%)あるいは感情面での結び付きはない(48%)と答えています。また、回答者の52%は銀行サービスは「楽しくない」と答えています。こうした競合他社に後れを取らないように、リテールバンクはビジネスモデルを再考し、顧客エンゲージメントの向上に注力する必要があります。

顧客は簡単かつ親しみやすい、満足感を得られる魅力的な体験を求めている

リテールバンクは、強化されたデータガバナンスモデルに則して、デジタルマーケティング力における競争力を高めるために、自社の顧客インサイトを収集することができます。これをAIおよび機械学習(ML)と組み合わせることにより、リアルタイム体験から顧客を特定・維持・エンゲージメントする、新しい可能性を切りひらくことができます。しかし、伝統的な銀行では、膨大な量の顧客データの処理能力が現時点で不足しており、こうしたメリットの多くを享受できていません。本レポートの経営幹部を対象とした調査では、大手国際金融機関の経営幹部の95%が、時代遅れなレガシーシステムや基幹バンキングプラットフォームによって、データの最適化やカスタマーセントリックな成長戦略に対する取り組みが阻止されると考えており、70%がデータを処理・分析するためのリソースが不足していると回答しています。

キャップジェミニの金融サービス戦略ビジネスユニット リテールバンキング・資産管理部門を率いるグローバルインダストリー責任者であるNilesh Vaidyaは次のように述べています。「成長の方程式は一見するとシンプルです。デジタルジャーニーのどの過程にいるかにかかわらず、お客様はパーソナライズされた体験を求めています。しかし、それを実現するためには取り組むべき課題があります。リテールバンクは、これまでの広範なビジネスモデルを見直し、お客様がデジタル取引から期待するようになったと同様の、パーソナライズされ個々のライフスタイルに対応したエコシステムジャーニーを提供できるモデルを再構築しなければなりません。お客様が体験するデジタルバンキングと物理的バンキングの差異や大きな矛盾を埋めなければ、伝統的な銀行は顧客価値を失い、より機動的なフィンテック競合他社に顧客を奪われる可能性があります」

成長を最適化するために、銀行はプラットフォームベースのモデルの活用が不可欠

調査によると、70%を超える金融機関幹部が、伝統的な銀行はデータおよび分析能力が不足していると回答しています。既存の銀行が機敏なフィンテックに追いつこうとする中、多くのプロバイダーは従来型のサービスや製品と、非金融ライフスタイル製品を融合しています。また、非金融系サードパーティエコシステムを通じた、Banking as a Service(BaaS)および組込型金融ソリューションの提供も見受けられます。プラットフォームモデルはデータエコシステムから必要な情報を取り出してリアルタイムのインサイトを得る上で非常に適しているため、パーソナライズのためのデータ収集に役立ちます。しかし、銀行にとってプラットフォームベースのモデルは新しい概念ではないものの、多くの銀行がその実行に未だ苦慮しているのが現状です。経営幹部を対象とした調査では、回答者の78%がエコシステムパートナーを介した製品のカニバリゼーションについて、また72%がブランド希薄化の防止について懸念していることが明らかになりました。レポートでは、顧客が求めるパーソナライズされたオムニチャネル体験やエコシステムジャーニーを提供するためには、新しいテクノロジーを採用し組織内でサイロ化されている部分を取り払うことに重点を置いて、前述の課題を解決する必要があると指摘しています。

EfmaのCEOであるJohn Berry氏は次のように述べています。「デジタルネイティブなフィンテックが市場価値をますます高め競争が熾烈化している環境下でリテールバンクは、データ主導型の成長を最適化するために、革新的なテクノロジーやプラットフォームベースのモデルをようやく採用し始めました。既存のデジタルチャネルの多くでこうした動きが進展してはいるものの、お客様は今なお、支店をセルフサービスオプションや金融アドバイスを幅広く取り揃えた体験センターとして捉えています。データの収集・分析能力を強化することにより、サービスプロバイダーはお客様が求める一貫したオムニチャネルバンキング体験を提供できるようになります」

金融機関のCMOを顧客戦略担当およびChief Engagement Officerと位置付けて、真のオムニチャネル体験を提供

顧客との関係強化やバンキング体験のパーソナライズに必要な、データおよびテクノロジー主導への移行を行う上で、Chief Marketing Officer(CMO)は重要な役割を果たすことを認識して積極的に取り組む必要があります。調査では、国際金融機関のCMOの75%がブランド構築に直接的な責任を担っていると回答し(25%は経営幹部レベルの他の責任者と責任を分担していると回答)、さらに63%が新製品の開発・発売に直接的な責任を担っていると回答しています。このように、経営陣は顧客ライフサイクルを把握し、顧客エンゲージメントの各面を管理することが求められています。しかし、顧客ベースの戦略を進めるために必要なデータが適切でない、サイロ化されている、あるいは外部データソースを使わず内部データのみが重視されているという理由から、CMOの多くはプロダクトセントリックからカスタマーセントリックなマーケティングへの移行をリードするには準備不足な状況にあることがレポートで示されています。一例として、エンドツーエンドの顧客体験を直接管理している、あるいは自社製品やサービスを効果的にカスタマイズするための包括的な顧客プロファイルにアクセスできる、と答えたCMOはわずか22%でした。こうした重要なデータをCMOが活用できるようになれば、顧客ニーズを予測し、パーソナライズされた製品やサービスを開発できるようになり、真のオムニチャネル体験を提供できるようになります。これを達成するには、CMOは、フィンテックが対象製品やサービスをキュレートする手法を手本として、継続的なプロセス改善を通じてバンキング体験をより良いものへ進化させながら、エンゲージメントと長期的な関係を最優先するデータ主導型の効果的な価値ループを確立しなければなりません。そうすることでリテールバンクは、長期的な顧客価値を、創出・実現・獲得できるようになります。

調査手法

ワールド・リテール・バンキング・レポート2022は、2つの主要情報源からのインサイトに基づいています。具体的には、8,051人の回答者からの意見に基づくThe Global Retail Banking Voice of the Customer survey 2022と、142人の金融機関幹部へのインタビューと調査に基づくRetail Banking Executive Surveys and Interviews 2022です。これらの調査には、次の29の市場からのインサイトが含まれています。オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、エジプト、フランス、ドイツ、香港、インド、インドネシア、アイルランド、イタリア、日本、クウェート、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、カタール、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、UAE、イギリス、アメリカ

調査については、www.worldretailbankingreport.comをご覧ください。

キャップジェミニについて

キャップジェミニは、テクノロジーの力を活用して企業ビジネスの変革・推進を支援するパートナーシップにおけるグローバルリーダーです。キャップジェミニ・グループは、テクノロジーを通して人々が持つエネルギーを解き放つことで、包摂的で持続可能な未来を目指し、日々まい進しています。私たちは、世界約50ケ国の32.5万人に及ぶチームメンバーから成る、極めて多様的で責任感の強い組織です。キャップジェミニは、55年にわたって積み上げてきた経験と実績そして豊かな専門知識を活かし、クラウド、データ、AI、コネクティビティ、ソフトウェア、デジタルエンジニアリング、プラットフォームなど、急速に進化するイノベーティブなテクノロジーを原動力として、戦略から設計、オペレーションに至るまで、お客様の幅広いビジネスニーズすべてに対応して、お客様から厚い信頼をいただいています。グループ全体の2021年度の売上は、180億ユーロです。

Get The Future You Want – 望む未来を手に入れよう | www.capgemini.com

Efmaについて

Efmaは、金融サービス機関の意思決定者のネットワーキングを容易にすることを目的として、1971年に銀行および保険会社によって設立された国際的な非営利団体です。銀行や保険会社がイノベーションと変革を推進するための適切な意思決定を行えるよう、質の高いインサイトを提供しています。130カ国以上の120を超える金融グループが加入しています。パリに本部を置き、ロンドン、ブリュッセル、アンドラ、ミラノ、ブラチスラヴァ、イスタンブール、ドバイ、東京、クアラルンプール、ソウルに拠点があります。

詳細については、www.efma.comをご覧ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
キャップジェミニ株式会社
マーケティング&コミュニケーションズ
marketingjapan.jp@capgemini.com

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